こんな夢を見た。
私は全く知らない街で一人歩いていた。どうやら何日も歩き続けているようだ。家が立ち並ぶ静かな街、見知らぬ人々は、部外者の私をますます孤独にした。
何でここにいるのか。何で私は歩き続けているのか。思い出せそうで思い出せない。
何が悲しいのか、涙がこぼれた。もう疲れた…気が緩んだ瞬間、目の前が真っ暗になった。
気がつくと、私は見知らぬ小さな部屋の中にいた。布団の中で寝ていたらしい。
「気がついたの…」
後ろから若い女性が声をかけた。どこかで見たことがある気がした。誰だか思い出せない。
「誰」
「誰って、倒れてたから助けてあげたのに」
苦笑いを浮かべる彼女は、誰かはわからないけれど、普段人見知りの私でも心を開けそうな、不思議な感じがした。
これまでのことを急に思い出して、思いが溢れた。
「私、一人で」
「…うん」
「家族からも仕事からもずっと逃げてきて」
「…うん」
「一人で、本当はずっと寂しい」
「…そっか」
人に思いをぶつけるのなんて、何年ぶりなんだろう…
「私も一人だよ」
そう言った彼女の優しいけど、悲しい顔を見て、誰かわかった。
「あなたは…私?」
…目が覚めた。x