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2019年2月26日火曜日

「儚い命」ー以前投稿した小説です

お疲れ様です。
つばさです。

活動できていませんので、
以前時空モノガタリで投稿した小説を掲載します。
そんなに悪くない、と思っています。

https://www.jiku-monogatari.jp/entry/?mode=disp&key=9493&lid=&sort=&word=&page=1

老婆は死が近づいていた。

若いころから不死の法や長寿の薬を試してきた。その甲斐あってか長生きはした。歳の割に美しい肌で周囲にも驚かれるほどだった。しかし、死は近づいていたのだ。じきに死ぬことを薄々感じていた。彼女の親も言っていた。長く生きると、自分の死ぬときを自然に悟る。
老婆は死を恐れていた。そのせいで、彼女は一気に老け込んでしまった。この老け込みようのほうが恐ろしいものだ。ほとんど外出もできなくなって、寝たきりのような状態となってしまった。このまま、苦しみながら生を終えると思われた。
生にしがみついて醜くなっていく老婆を周囲は見ていられなくなった。一人、知り合いの男はこの老婆をひどく心配していた。

男は、老婆の好きだった海に連れて行った。波の音だけが響く静かな浜辺に二人きりで座った。
「わしは孤独じゃ。死ぬのは、一人じゃ」
老婆はつぶやいた。
「・・・友達を作ろうか」
男は砂で何か小動物のような形を作った。赤い実を二つくっつけて目にして、そして砂の動物に向けて、小さな声でささやいた。
「動いていいよ。行きな」
砂の動物は、命を得たように走り出した。嬉しそうに、飛び上がりながら。命のなかった砂は、命を得て嬉しいのだ。動けること、走ること、風、水の感触。全てが喜びなのだろうか。
「無生物催眠術か」
老婆のつぶやきに男は無視した。男は砂をつまんで、呪文をかけた。すると魔法の砂時計が出来上がった。
「五分だ」
「え」
「あいつの命は五分間だ。そういう術だ」
ついには、砂の動物は波と追いかけっこを始めた。波は砂を少しずつ崩していった。
「砂の体が、波に持っていかれるんじゃないか」
老婆は助けようと立ち上がった。男は首を振って止めた。どんどん体は流され、ぼろぼろになった砂の塊がよろよろと老婆の足元にやってきた。砂時計の最後の一粒がなくなると、嬉しそうに活き活きと飛び跳ねていた砂の塊は、元の命のない砂となった。ついていた赤い実が砂の中でただ目立っていた。

老婆は座り込んで、男を見た。
「もう一度、こいつに催眠術をかけておくれ。もう一度、こいつを走り回らせてやってほしいんじゃ。その姿がまだみていたい。五分なんて短すぎじゃ」
「あいつの命はたった五分間だった。私たちにとってはとても短い時間だ。でも、その五分に生きることの全てが詰まっていたと思わないか」
老婆は涙を流した。男は続ける。
「五分は短いかもしれないが、私たちの命も同じように儚い。空を見ろ。あの星に比べれば、私たちの命など、五分で散った砂とそれほど変わらない。だが、一度しかないから価値があるし、輝きを放つことができる。あの砂の姿を見て、わかっただろう」
「わしは、わしの命は輝くことができたじゃろうか」
「さあな。それは私が決めることではない。だが、長く生きているんだ、生きる喜びを感じた瞬間が少しはあったんじゃないのか、それに、死を悟ってから見えてくるものもあるかもしれない」
「そういうもんじゃろうか」

ふと見上げると、静かな空に流れ星が光った。
「わしも、最後にできることがあるのじゃろうか」
男ははじめてほっとした顔を見せた。
「そうだ」

2019年2月23日土曜日

「地上の星」ーエッセイを書きました

お疲れ様です。
つばさです。

以前勢いで書いたエッセイですが、もしよければちらりと。



ちょっと前にNHKでプロジェクトXっていう番組がやっていました。
幼かった私は、そのオープニングソングだけ聞いて、テレビを消して、寝た。そんな時期もありました。
中島みゆきさんが歌う「地上の星」。
歌詞を覚えてないし、当時の私は歌の意味なんて考えようとも思わなかったはずです。考えてもよくわからないでしょうし。あの力強い声と、曲の力、耳に残るものだったんです。
今となって、番組の内容やおぼろげな記憶として頭に残る歌詞から想像すると、地上を生きる人間の中にすごい人はいっぱいいる、それはあなたもです、気づこうね、みたいな意味なんじゃないかなと思っています。違うかもしれないですけど。
とりあえず私はそんな風に解釈していますが、どうしてそんな話をし出したのかというと、地上の星を見つけたからなんですよ。
一応、断っておくと、おとぎ話をする気はなく、人間賛歌をする気もないです。私、人間賛歌は好きじゃないんです。基本、人間嫌い。集団行動とか、とにかく嫌いで。好きな人もいますよ、ただ…まあ、私がいかに人間嫌いかは置いておき。
そんな私はきれいなものが好きでして。花とか、山とか、湖とか…。自然が好き。
ただ自然は怖いですよね。うっそうと茂った森の中を一人で歩いてたりすると、結構怖かったりします。
自然の怖さって陰と闇です。人間はそういうのをばっさばっさ開発と称してぶち壊してきました。それが良いこととは思いませんが、闇を照らす光は結構きれいです。希望を感じます。人間が作ったもので一番きれいなものは、光なんじゃないかと思いませんか。
で、地上の星のこと。
私、仕事の帰りで飛行機に乗っていました。夜、仕事後で疲れていました。仕事が好きなわけではないし、人間嫌いなこともあって、本当に疲れるわけです。仕事って人とのつながりがものを言うでしょ。疲れていると、イライラするわけで。
そんなイライラしたなかで、飛行機が着陸態勢に入ったとき。ずっと雲の中にいて下がよく見えなかったので、明かりがぽつぽつと見えてきたとき、きれいだと心から思いました。
山がちなところに道があって、そこだけ光っていたので、まるで星座のようでした。人の営みが作る星座。私もきっと生きているだけであの光の中に入っているのでしょう。これだけ美しいものを作れるのだから、生きることは意味があるのでは…なんて、人間賛歌ですよね、自分らしくなかったです。
夜の飛行機なんて私には少し非日常です。非日常がそうさせたのでしょう。
現実に戻れば、社会も私もそんなにチョロくはありません。毎朝行きたくもない仕事のために人ごみに入り、仕事をし、時には残業して夜景の一部となる。そんな生活の中で人間は美しい、生きるのは素晴らしいなんて感じません。そう思える人もいるでしょうが、私は違います。
だから、…というのも変かもしれないですけど、人間の暮らしている世界の外から見る時間が大切なのかもしれません。中にいたら見えない星が、空からなら見えるかもしれませんから。

2019年2月21日木曜日

小説家志望の方へお役立ちサイト

お疲れ様です。
つばさです。

小説家になりたいという方に、投稿サイトをまとめているサイトをご紹介します。
投稿サイトは検索するといっぱいあるので、自分に合うものを探すのも良し、過疎のサイトを蘇らせるのも良し、ですよ。

小説投稿サイトのまとめ

https://matome.naver.jp/odai/2150062692851433601

長い文章は苦手、詩を投稿したい、という方はこちら。
https://matome.naver.jp/odai/2151988606569448401

2019年2月18日月曜日

「夏よ終わらないで」ー小説投稿しました


お疲れ様です。
つばさです。

まるせんというサイトで川柳を投稿しました。
もしよければちらっと見てください
https://marusenryu.com/senryu.php?sid=212617

今日はこっちがメインです。
時空モノガタリというサイトで掌編小説を投稿しました。
時期外れですが、もしよければちらりと見ていってください。

https://www.jiku-monogatari.jp/entry/?mode=disp&key=13334&lid=&sort=&word=&page=1

タイトル:夏よ終わらないで

「ねー、七瀬はそれでいいの?」
友だちは怖い顔をして私を見る。
「あの山田くんと二人でアイスを食べてたんでしょ」
「山田くんは幼なじみだから」
私は笑ってごまかす。この手の話題はあまり好きじゃない。山田くんにも失礼だから。
「山田くんが他の女に盗られていいの、ねえ」
「別に私のものじゃないでしょ、もー」
山田くんは幼なじみであり、私なんかにも優しくて、かっこいい憧れの人…なんかちょっと切ないな。
「見られてたの気づかなかったな…」

山田くんとたまたま帰るタイミングが同じだったので、一緒に帰った。同じ高校でもクラスは違うと意外と時間も合わない。
「もうすぐ夏休みだね。七の予定は?」
私のことを「七」と呼ぶのは高校では山田くんだけだ。幼稚園の頃からのニックネーム。山田くんに「七」と言われると体温が上がる。
「えー、何もないです。山田くんは?」
「俺も特にないな」
話が微妙な感じで終わった。山田くんはクールだけど、クールすぎて話を続けようとしないところがある。
話題を探そうときょろきょろしていると、カフェの期間限定メニューが目に入る。
「コットンスノーアイス」
「え」
「食べて行こう、美味しそう」
山田くんは甘いものが小さい頃から好きで、クールな顔のままだけど、美味しそうに食べるその顔を見てるこの時間は私にも幸せだった。
「幸せそうですね…」
かっこいい顔に見とれながら無意識に呟いた。
「うん、幸せ」
こんな時間がずっと続けばいいのに。私がアイスと一緒に買った冷たい紅茶のコップはもうびちょびちょだ。

これは恋かな?そう自分の胸に聞く。すぐに、違う、ともう一人の私の声がする。
私は優しくてかっこいい山田くんのファンにすぎない。この「好き」はそういう「好き」じゃない。
それに、誰に対してもかっこいい山田くんにとっては私はたくさんのファンの一人にすぎない。こうして幼なじみという立場を利用して一緒にいられる。それだけで良い。この時間を純粋に楽しみたい。

夏休みに地元の川で花火がある。いつも花火は自宅マンションで見ていたけど、山田くんに誘われたので河川敷に行った。
山田くんに浴衣を披露するのは5年ぶりくらいでちょっと恥ずかしい。
河川敷にはたくさんの人がいて、少しくらくらする。いつから場所取りしてくれていたのか、山田くんが良い席を準備していた。
「大変だったでしょう、場所取り」
「いやいや。きれいな花火のためだ」
山田くんは相変わらずクールで優しい。

ドーン…
大きな花火が弾ける。花火をこんなに近くで見たのは初めてだ。この町も捨てたもんじゃないな。
山田くんの横顔をちらりと見た。ずっとこの時間が続いてほしい。終わらないでほしい。私たちの時間が、この関係が弾けませんように…

花火が終わって静かになった河川敷。
「七」
「んー?」
「浴衣良いね」
「やったー山田くんに誉められた」
「…彼氏とか、ほしいと思わない?」
少し驚いて山田くんを見た。いや、花火を見て私の気持ちが浮かれてるだけで、そういう質問じゃないよね。幼なじみとしてのトーク。自分に言い聞かせてにっこりする。
「えー、まだいいかな」
山田くん。私はこの関係が壊れないでほしいんだ。
山田くんはクールな顔のままだけど、少しがっかりしている、気がした。がっかりしてほしいと思ったのかもしれない。
「…そっか」
「山田くんは?引く手あまたですよね。モテモテで」
私はどんな答えを期待しているんだろう。
「そんなことないよ…俺もまだいいかな」

「花火を見ると夏も終わりって感じしますよね」
「確かに。花火ってすごいきれいだけどさ、終わってしまう切なさがまた良いよね。夏が弾けるというかさ」
「ごめん。高貴な方の考えることはわかんない」
私はずっとこのままでいたい。でも終わってしまうことはわかってる。だから愛おしい。
夏がもうすぐ終わる。もう少し、終わらないで。

2019年2月17日日曜日

川柳投稿しました

お疲れ様です。
つばさです。

まるせんというサイトで川柳を投稿しました。
もしよければちらっと見てください。

https://marusenryu.com/senryu.php?sid=212286

川柳投稿しましたbotになってしまっているので、何か活動を考えないといけないなーと思ってはいます。

2019年2月16日土曜日

川柳投稿しました

お疲れ様です。
つばさです。

まるせんというサイトで川柳を投稿しました。
もしよければちらっと見てください。

https://marusenryu.com/senryu.php?sid=211991

川柳の投稿は難しいことを考えずにできるので結構おすすめです。
もっとこういう川柳募集のサイトが増えれば流行りそうなのになー、と思うのですが
運営する人は大変なんでしょうね。

2019年2月15日金曜日

川柳投稿しました

お疲れ様です。
つばさです。

まるせんというサイトで川柳を投稿しました。
もしよければちらっと見てください。
https://marusenryu.com/senryu.php?sid=211687

2019年2月14日木曜日

はじめまして

はじめまして。
私は糸井翼と言います。

性格はとても暗くてコミュ障、友達も恋人もいません…。

そんな私の夢はいつか紙の本を出すこと。
私はここにいたんだ!というのを何か形に残したい。

小説家、表現者になりたいけど才能も人望もない。

グチグチ書きましたが、何かのきっかけがほしいし、新しい刺激がほしいので、ブログというツールに手を出しました。

誰か見てくれると嬉しいな。

よろしくお願いいたします。