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もしよければ買ってください!サービスを売るのに興味がある方も、このサイト面白いので覗いていってください。
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2019年6月18日火曜日
2019年6月2日日曜日
電子書籍を作ってみました
電子書籍を作ってみました!
人生初なので、フォントなどの設定も適当ではありますが…
こういうのを当たり前のように使いこなせるようになればいいのですが。
経験と練習あるのみですね。
無料公開してますので、冷やかしでのぞいてください…
https://bccks.jp/bcck/159833/info
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2019年5月4日土曜日
落選したショートショートを見てください
応募していたショートショートが見事落選していたので、ここで載せます。
こんな夢を見た。
私は全く知らない街で一人歩いていた。どうやら何日も歩き続けているようだ。家が立ち並ぶ静かな街、見知らぬ人々は、部外者の私をますます孤独にした。
何でここにいるのか。何で私は歩き続けているのか。思い出せそうで思い出せない。
何が悲しいのか、涙がこぼれた。もう疲れた…気が緩んだ瞬間、目の前が真っ暗になった。
気がつくと、私は見知らぬ小さな部屋の中にいた。布団の中で寝ていたらしい。
「気がついたの…」
後ろから若い女性が声をかけた。どこかで見たことがある気がした。誰だか思い出せない。
「誰」
「誰って、倒れてたから助けてあげたのに」
苦笑いを浮かべる彼女は、誰かはわからないけれど、普段人見知りの私でも心を開けそうな、不思議な感じがした。
これまでのことを急に思い出して、思いが溢れた。
「私、一人で」
「…うん」
「家族からも仕事からもずっと逃げてきて」
「…うん」
「一人で、本当はずっと寂しい」
「…そっか」
人に思いをぶつけるのなんて、何年ぶりなんだろう…
「私も一人だよ」
そう言った彼女の優しいけど、悲しい顔を見て、誰かわかった。
「あなたは…私?」
…目が覚めた。x
2019年4月9日火曜日
「名探偵が起こす悲劇」ー以前書いた小説です
お疲れ様です。
以前時空モノガタリに書いた小説です。タイトルは「名探偵が起こす悲劇」。
ちらっと見てみてください。
https://www.jiku-monogatari.jp/entry/?mode=disp&key=11877&lid=&sort=&word=&page=1
夏休みの懸賞で当たった宿泊券を手に、彼氏と山奥の秘境温泉宿へ行くことになった。でも、山奥のホテルで急な大雨の中、道路が通れなくなり、私と彼は宿に取り残された。ここで私はこのホテルでの誰かの死を予感した。彼と一緒に何かすると大体事件に巻き込まれる。じゃあ何で旅行に誘ったかというと、彼が好きだから。それに、彼は名探偵で必ず事件は解決する。もうこれはお約束。
案の定、事実上の密室で宿の主人が殺された。犯人は、この雨の中だ、宿の従業員か宿泊客に限られる。宿泊客も秘境温泉ということで数名程度。
そして、警察が来られない中で名探偵が犯人を見つけ出す、といういつもの展開だ。なんとなくわかってきた。
「ねえ、もう犯人わかったんでしょう」
私は聞く。大体顔を見ればわかる。
「まあな。でも証拠がないし、それまだ早いんだ」
「まだ早い?」
その意味が私にはよくわからない。急に彼が顔を近づけた。私はびっくりしてよく聞き取れなかった。
「えっ」
「そんなに驚くことか。毎年やっていることだろ」
毎年・・・確かに、ここ数年、夏休みに彼は難事件を解決していたような気がする。でも、何かがおかしいような。頭痛がしたので、考えるのをやめにした。
翌日になり、一人の宿泊客がどうしても帰りたいと騒ぎ出した。いかにも悪人面の中年の男だ。私はひそかに怪しい、犯人じゃないかと思っていた。
「だめです、道路がふさがれているんだから」
「うるさいなあ、仕事があるんだよ。車が行けそうなところまで歩いてタクシー呼ぶから」
いかにも悪人面のその男はそう言って出て行ってしまった。
「あの人、犯人だったんじゃないの」
「探偵さん、追わなくていいのか」
彼は考えていたが、何か今ひらめいたような顔を作り、「まずいかもな」とつぶやいた。
嫌な予感がして、私たちは外に出てあの男を捜したが、見つからなかった。地面の状況はかなり悪いし、それほど遠くに行けるとは思えない。足を滑らして、川に落ちたなんてことも・・・
彼は私と二人きりになると、疲れきった表情にわずかに笑みを浮かべつつ、
「いないか」と尋ねた。
「いないわ。川に落ちたのかも・・・どうするの」
「やはり」
「こうなることがわかってたの」
彼はまた急に顔を近づけた。昨日と同じ感じだから、さすがにそれほど驚かない。
「みんながあいつを犯人と思っていた。おれ以外はな。そういうやつはよくこうなる」
川の流れる音だけが響き、静かに風が吹いた。夏なのに背筋が寒くなった。彼は名探偵で、人の死を予想できた。多分犯人もわかっている。なのに、それを見て見ぬふりをしているのではないか。
「ねえ、犯人を教えて、もう捕まえましょう」
「だめだ、まだ悲劇は終わらないさ」
「もう誰も死んだほしくないでしょ」
彼は少しイラついたような、不思議そうな顔をして私を見てくる。
「昨日も言ったけど、これは毎年のことだよ、気付いてないのか」
「えっ」
「夏休みは普段みたいに簡単で短い事件では終わらないんだよ、これはおれたちにはどうしようもない。毎年繰り返してる、毎年夏休みに連続殺人事件が起きているだろう。この悲劇の筋書きを書いたやつに従うしかないのさ」
そう言って空を見て、笑っている。私はまた頭痛がしてきた。
「そのたびに、おれの本当のゴールが近づいているのさ」
「本当のゴール?なにそれ」
「おれにもわからないよ、結末なんて。だれだってそうだろう」
彼は振り向いて木の陰をにらんだ。その後、私の顔をじっと見た。
「君・・・運命っていうのはどうにもできない。時に理不尽な血や涙を流させるものだぜ」
急に彼が愛おしく思えた。手を強く握ってくる。
また嫌な予感がした。彼は私を見ている。
「犯人はわかってるんでしょ、もういいんじゃ」
「・・・まだ早いんだ」
以前時空モノガタリに書いた小説です。タイトルは「名探偵が起こす悲劇」。
ちらっと見てみてください。
https://www.jiku-monogatari.jp/entry/?mode=disp&key=11877&lid=&sort=&word=&page=1
夏休みの懸賞で当たった宿泊券を手に、彼氏と山奥の秘境温泉宿へ行くことになった。でも、山奥のホテルで急な大雨の中、道路が通れなくなり、私と彼は宿に取り残された。ここで私はこのホテルでの誰かの死を予感した。彼と一緒に何かすると大体事件に巻き込まれる。じゃあ何で旅行に誘ったかというと、彼が好きだから。それに、彼は名探偵で必ず事件は解決する。もうこれはお約束。
案の定、事実上の密室で宿の主人が殺された。犯人は、この雨の中だ、宿の従業員か宿泊客に限られる。宿泊客も秘境温泉ということで数名程度。
そして、警察が来られない中で名探偵が犯人を見つけ出す、といういつもの展開だ。なんとなくわかってきた。
「ねえ、もう犯人わかったんでしょう」
私は聞く。大体顔を見ればわかる。
「まあな。でも証拠がないし、それまだ早いんだ」
「まだ早い?」
その意味が私にはよくわからない。急に彼が顔を近づけた。私はびっくりしてよく聞き取れなかった。
「えっ」
「そんなに驚くことか。毎年やっていることだろ」
毎年・・・確かに、ここ数年、夏休みに彼は難事件を解決していたような気がする。でも、何かがおかしいような。頭痛がしたので、考えるのをやめにした。
翌日になり、一人の宿泊客がどうしても帰りたいと騒ぎ出した。いかにも悪人面の中年の男だ。私はひそかに怪しい、犯人じゃないかと思っていた。
「だめです、道路がふさがれているんだから」
「うるさいなあ、仕事があるんだよ。車が行けそうなところまで歩いてタクシー呼ぶから」
いかにも悪人面のその男はそう言って出て行ってしまった。
「あの人、犯人だったんじゃないの」
「探偵さん、追わなくていいのか」
彼は考えていたが、何か今ひらめいたような顔を作り、「まずいかもな」とつぶやいた。
嫌な予感がして、私たちは外に出てあの男を捜したが、見つからなかった。地面の状況はかなり悪いし、それほど遠くに行けるとは思えない。足を滑らして、川に落ちたなんてことも・・・
彼は私と二人きりになると、疲れきった表情にわずかに笑みを浮かべつつ、
「いないか」と尋ねた。
「いないわ。川に落ちたのかも・・・どうするの」
「やはり」
「こうなることがわかってたの」
彼はまた急に顔を近づけた。昨日と同じ感じだから、さすがにそれほど驚かない。
「みんながあいつを犯人と思っていた。おれ以外はな。そういうやつはよくこうなる」
川の流れる音だけが響き、静かに風が吹いた。夏なのに背筋が寒くなった。彼は名探偵で、人の死を予想できた。多分犯人もわかっている。なのに、それを見て見ぬふりをしているのではないか。
「ねえ、犯人を教えて、もう捕まえましょう」
「だめだ、まだ悲劇は終わらないさ」
「もう誰も死んだほしくないでしょ」
彼は少しイラついたような、不思議そうな顔をして私を見てくる。
「昨日も言ったけど、これは毎年のことだよ、気付いてないのか」
「えっ」
「夏休みは普段みたいに簡単で短い事件では終わらないんだよ、これはおれたちにはどうしようもない。毎年繰り返してる、毎年夏休みに連続殺人事件が起きているだろう。この悲劇の筋書きを書いたやつに従うしかないのさ」
そう言って空を見て、笑っている。私はまた頭痛がしてきた。
「そのたびに、おれの本当のゴールが近づいているのさ」
「本当のゴール?なにそれ」
「おれにもわからないよ、結末なんて。だれだってそうだろう」
彼は振り向いて木の陰をにらんだ。その後、私の顔をじっと見た。
「君・・・運命っていうのはどうにもできない。時に理不尽な血や涙を流させるものだぜ」
急に彼が愛おしく思えた。手を強く握ってくる。
また嫌な予感がした。彼は私を見ている。
「犯人はわかってるんでしょ、もういいんじゃ」
「・・・まだ早いんだ」
2019年3月26日火曜日
東京都 ~詩を書きました
お疲れ様です。
詩を書きました。タイトルは「東京都」です。
夢や憧れ
詩を書きました。タイトルは「東京都」です。
夢や憧れ
欲や醜さ
全てが集まるところ
そんなものを
栄養にして
うっそうと繁る
ビルのジャングル
空は狭まり
気づけば上を見なくなった
どこからも見える
空まで届く大きな木
見上げれば気付く
私たちの抱えるものは
本当に小さい
2019年3月20日水曜日
作品にいただいたコメントに思うこと
お疲れ様です。
以前ここでも投稿しました~と上げた時空モノガタリの小説https://aoitorinotsubasa.blogspot.com/2019/02/blog-post_18.html?m=1
にコメントしてくれた方がいました。
https://kan-so.hatenablog.com/entry/2019/02/28/213331
嬉しい……!
コメントをいただけて感じたことを書きます。
私は感想を書くのは苦手です。思いとか気持ちとかって掴み所がなくてふわっとしてますから、言葉に的確にできない。
だから感想を書けるのはすごい才能だし、たぶんめちゃ頭良いんですよ。
私はだめです。何書いてるかよくわかんない感想しか書けません。
ただ、思っていること、そのぼんやりしたものをシチュエーションとキャラクターに託して小説にしたり、ぼやっとしたまま
詩にしたりすることはできるのではないか、と思っていて、そうしているつもりです。
なので、私の書くのはある面では私自身であって、読んでくださる方が「この気持ち、こうだよね。わかる」となれば私自身に共感してもらえたことになるのでしょう。
別に共感されるのが目的ではないので、違う解釈をしてもらえるなら、たぶん作品としては深みのあるものと言えるはず。いずれにしてもありがたや。
じゃあ今回いただいたコメントは…というと、私の思っていたのと違うような気がする。いや、実は言葉で分析、説明するとそうなのかもしれないけれど…
なんか私の感覚って共感されにくいのかな?とも思ってしまいました。不思議な感覚で、でもすごくありがたい、嬉しい気持ちです。
やっぱり何書いてるかわかんない感想になってしまいました。
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嬉しい……!
コメントをいただけて感じたことを書きます。
私は感想を書くのは苦手です。思いとか気持ちとかって掴み所がなくてふわっとしてますから、言葉に的確にできない。
だから感想を書けるのはすごい才能だし、たぶんめちゃ頭良いんですよ。
私はだめです。何書いてるかよくわかんない感想しか書けません。
ただ、思っていること、そのぼんやりしたものをシチュエーションとキャラクターに託して小説にしたり、ぼやっとしたまま
詩にしたりすることはできるのではないか、と思っていて、そうしているつもりです。
なので、私の書くのはある面では私自身であって、読んでくださる方が「この気持ち、こうだよね。わかる」となれば私自身に共感してもらえたことになるのでしょう。
別に共感されるのが目的ではないので、違う解釈をしてもらえるなら、たぶん作品としては深みのあるものと言えるはず。いずれにしてもありがたや。
じゃあ今回いただいたコメントは…というと、私の思っていたのと違うような気がする。いや、実は言葉で分析、説明するとそうなのかもしれないけれど…
なんか私の感覚って共感されにくいのかな?とも思ってしまいました。不思議な感覚で、でもすごくありがたい、嬉しい気持ちです。
やっぱり何書いてるかわかんない感想になってしまいました。
2019年3月5日火曜日
小さな王女ー小説投稿しました
お疲れ様です。
つばさです。
マグネット!という小説サイトに投稿しました。このサイトに顔出すの久しぶりです。比較的新しいサイトで、表紙が選べたり、磁力とかいう特殊なルールがあったり、と面白いですよ。
投稿した小説はこちらです。
https://m.magnet-novels.com/novels/58375
小さな王女
つばさです。
マグネット!という小説サイトに投稿しました。このサイトに顔出すの久しぶりです。比較的新しいサイトで、表紙が選べたり、磁力とかいう特殊なルールがあったり、と面白いですよ。
投稿した小説はこちらです。
https://m.magnet-novels.com/novels/58375
小さな王女
地元の桜祭りの時期になった。この桜祭りの桜は少し早咲きで、県内だけてはなく県外からも観光客が来るほどで、すごく賑やかだ。寒い日々が終わりに近づき、春が訪れる。地元の人々はこのイベントを楽しみにしていたし、地元の象徴的なものだと思っていた…きっと、私以外は。
祭りは、一緒に行く誰かを想像できる人はきっと楽しい。早咲きの桜は卒業式シーズンにかぶるので、卒業の思い出に同級生の友達と行く、とか、好きな人と行く、とか、仲が良ければ家族で行く、とか。私も小さい頃は両親と行くのを何となく楽しみにしていた。そういえば、お祭りの出店のわたあめが好きだった気がする。きっと中学高校になれば、彼氏か親友と一緒に歩くものと思っていた。
気がつけば、家族とは仲が悪くなっていた。小さい頃には見えなかった両親の悪いところが成長するとともにどんどん見えてきた。お酒ばかり飲んで、馬鹿みたいにゲラゲラ笑う両親にどんどん心が離れていった。小学生の高学年になったくらいから学校でもうまくいかなくなっていた。私にはどこにも居場所がなかった。いつも隣には誰もいなかった。
だから、私は桜祭りは嫌いだった。私以外の人はみんな隣に誰かいる。別に一人でいるのが嫌なんじゃない。桜だって好きだ。静かであれば気にならない孤独感を強く感じなければいけないから、この時期は嫌いだ。
そんなある日、私は王女に出会った。
人気のない、丘の上の公園をふらふら歩いていたとき、おもちゃのUFOが落ちているのに気付いた。よく見ると、そばにきれいなドレスを着た着せかえ人形が落ちている…いや、生きている、宇宙人だった。
怪我をしているようだったので、家に迎え入れた。不安な表情で攻撃的なことを言われた。
「殺すなら殺せ…」
「私の国の実験台にするぞ…」
でも、なぜだか私自身を見ているような気がして、親近感を覚えた。人形のような姿のせいか、自然に心を開ける気がした。
「ねえ」
「…」
「私も一人なんだ」
「…この星の者じゃないのか」
「そうかも」
私は久しぶりに人に笑いかけた。
彼女は突然涙を流しはじめた。
「私は国の王女だった…王族の権力争いは孤独だぞ…部下や家族同士がずっとにらみ合う…心の隙を見せることは許されない…誰にも理解されない」
「うん…」
「でも生きることからは逃げられないだろう…だから国から逃げた…宇宙に行けば自由になれると思った…消えたかった」
「勇気があるね」
「そんなことは…」
「…ずっとここにいていいよ」
今年の桜祭りは一人じゃなかった。彼女は私のかばんの中で生まれて初めての桜を見ていた。小さな王女には桜はどう見えているんだろう。見つからないようにしながらも、かばんの口から楽しそうに外を見ていた。
「わたあめ食べたことある?」
「なんだそれは?」
私くらいの年齢で一人わたあめを買うのはかなり恥ずかしい。だが、今日は一人じゃないんだ。
小さな彼女は自分とあまりサイズの変わらないわたあめを驚いたように見ていた。小さな口でかじると、微妙な顔をしてつぶやいた。
「甘い…」
帰り道。気づかないうちに桜の花びらがかばんの中に入っていた。彼女は頭の上に花びらの帽子をちょこんと乗せた。
「似合うか?」
「うん」
桜よりも頬が桜色に染まっていた。彼女を美しいと思った。
2019年2月26日火曜日
「儚い命」ー以前投稿した小説です
お疲れ様です。
つばさです。
活動できていませんので、
以前時空モノガタリで投稿した小説を掲載します。
そんなに悪くない、と思っています。
https://www.jiku-monogatari.jp/entry/?mode=disp&key=9493&lid=&sort=&word=&page=1
老婆は死が近づいていた。
若いころから不死の法や長寿の薬を試してきた。その甲斐あってか長生きはした。歳の割に美しい肌で周囲にも驚かれるほどだった。しかし、死は近づいていたのだ。じきに死ぬことを薄々感じていた。彼女の親も言っていた。長く生きると、自分の死ぬときを自然に悟る。
老婆は死を恐れていた。そのせいで、彼女は一気に老け込んでしまった。この老け込みようのほうが恐ろしいものだ。ほとんど外出もできなくなって、寝たきりのような状態となってしまった。このまま、苦しみながら生を終えると思われた。
生にしがみついて醜くなっていく老婆を周囲は見ていられなくなった。一人、知り合いの男はこの老婆をひどく心配していた。
男は、老婆の好きだった海に連れて行った。波の音だけが響く静かな浜辺に二人きりで座った。
「わしは孤独じゃ。死ぬのは、一人じゃ」
老婆はつぶやいた。
「・・・友達を作ろうか」
男は砂で何か小動物のような形を作った。赤い実を二つくっつけて目にして、そして砂の動物に向けて、小さな声でささやいた。
「動いていいよ。行きな」
砂の動物は、命を得たように走り出した。嬉しそうに、飛び上がりながら。命のなかった砂は、命を得て嬉しいのだ。動けること、走ること、風、水の感触。全てが喜びなのだろうか。
「無生物催眠術か」
老婆のつぶやきに男は無視した。男は砂をつまんで、呪文をかけた。すると魔法の砂時計が出来上がった。
「五分だ」
「え」
「あいつの命は五分間だ。そういう術だ」
ついには、砂の動物は波と追いかけっこを始めた。波は砂を少しずつ崩していった。
「砂の体が、波に持っていかれるんじゃないか」
老婆は助けようと立ち上がった。男は首を振って止めた。どんどん体は流され、ぼろぼろになった砂の塊がよろよろと老婆の足元にやってきた。砂時計の最後の一粒がなくなると、嬉しそうに活き活きと飛び跳ねていた砂の塊は、元の命のない砂となった。ついていた赤い実が砂の中でただ目立っていた。
老婆は座り込んで、男を見た。
「もう一度、こいつに催眠術をかけておくれ。もう一度、こいつを走り回らせてやってほしいんじゃ。その姿がまだみていたい。五分なんて短すぎじゃ」
「あいつの命はたった五分間だった。私たちにとってはとても短い時間だ。でも、その五分に生きることの全てが詰まっていたと思わないか」
老婆は涙を流した。男は続ける。
「五分は短いかもしれないが、私たちの命も同じように儚い。空を見ろ。あの星に比べれば、私たちの命など、五分で散った砂とそれほど変わらない。だが、一度しかないから価値があるし、輝きを放つことができる。あの砂の姿を見て、わかっただろう」
「わしは、わしの命は輝くことができたじゃろうか」
「さあな。それは私が決めることではない。だが、長く生きているんだ、生きる喜びを感じた瞬間が少しはあったんじゃないのか、それに、死を悟ってから見えてくるものもあるかもしれない」
「そういうもんじゃろうか」
ふと見上げると、静かな空に流れ星が光った。
「わしも、最後にできることがあるのじゃろうか」
男ははじめてほっとした顔を見せた。
「そうだ」
つばさです。
活動できていませんので、
以前時空モノガタリで投稿した小説を掲載します。
そんなに悪くない、と思っています。
https://www.jiku-monogatari.jp/entry/?mode=disp&key=9493&lid=&sort=&word=&page=1
老婆は死が近づいていた。
若いころから不死の法や長寿の薬を試してきた。その甲斐あってか長生きはした。歳の割に美しい肌で周囲にも驚かれるほどだった。しかし、死は近づいていたのだ。じきに死ぬことを薄々感じていた。彼女の親も言っていた。長く生きると、自分の死ぬときを自然に悟る。
老婆は死を恐れていた。そのせいで、彼女は一気に老け込んでしまった。この老け込みようのほうが恐ろしいものだ。ほとんど外出もできなくなって、寝たきりのような状態となってしまった。このまま、苦しみながら生を終えると思われた。
生にしがみついて醜くなっていく老婆を周囲は見ていられなくなった。一人、知り合いの男はこの老婆をひどく心配していた。
男は、老婆の好きだった海に連れて行った。波の音だけが響く静かな浜辺に二人きりで座った。
「わしは孤独じゃ。死ぬのは、一人じゃ」
老婆はつぶやいた。
「・・・友達を作ろうか」
男は砂で何か小動物のような形を作った。赤い実を二つくっつけて目にして、そして砂の動物に向けて、小さな声でささやいた。
「動いていいよ。行きな」
砂の動物は、命を得たように走り出した。嬉しそうに、飛び上がりながら。命のなかった砂は、命を得て嬉しいのだ。動けること、走ること、風、水の感触。全てが喜びなのだろうか。
「無生物催眠術か」
老婆のつぶやきに男は無視した。男は砂をつまんで、呪文をかけた。すると魔法の砂時計が出来上がった。
「五分だ」
「え」
「あいつの命は五分間だ。そういう術だ」
ついには、砂の動物は波と追いかけっこを始めた。波は砂を少しずつ崩していった。
「砂の体が、波に持っていかれるんじゃないか」
老婆は助けようと立ち上がった。男は首を振って止めた。どんどん体は流され、ぼろぼろになった砂の塊がよろよろと老婆の足元にやってきた。砂時計の最後の一粒がなくなると、嬉しそうに活き活きと飛び跳ねていた砂の塊は、元の命のない砂となった。ついていた赤い実が砂の中でただ目立っていた。
老婆は座り込んで、男を見た。
「もう一度、こいつに催眠術をかけておくれ。もう一度、こいつを走り回らせてやってほしいんじゃ。その姿がまだみていたい。五分なんて短すぎじゃ」
「あいつの命はたった五分間だった。私たちにとってはとても短い時間だ。でも、その五分に生きることの全てが詰まっていたと思わないか」
老婆は涙を流した。男は続ける。
「五分は短いかもしれないが、私たちの命も同じように儚い。空を見ろ。あの星に比べれば、私たちの命など、五分で散った砂とそれほど変わらない。だが、一度しかないから価値があるし、輝きを放つことができる。あの砂の姿を見て、わかっただろう」
「わしは、わしの命は輝くことができたじゃろうか」
「さあな。それは私が決めることではない。だが、長く生きているんだ、生きる喜びを感じた瞬間が少しはあったんじゃないのか、それに、死を悟ってから見えてくるものもあるかもしれない」
「そういうもんじゃろうか」
ふと見上げると、静かな空に流れ星が光った。
「わしも、最後にできることがあるのじゃろうか」
男ははじめてほっとした顔を見せた。
「そうだ」
2019年2月23日土曜日
「地上の星」ーエッセイを書きました
お疲れ様です。
つばさです。
以前勢いで書いたエッセイですが、もしよければちらりと。
ちょっと前にNHKでプロジェクトXっていう番組がやっていました。
幼かった私は、そのオープニングソングだけ聞いて、テレビを消して、寝た。そんな時期もありました。
中島みゆきさんが歌う「地上の星」。
歌詞を覚えてないし、当時の私は歌の意味なんて考えようとも思わなかったはずです。考えてもよくわからないでしょうし。あの力強い声と、曲の力、耳に残るものだったんです。
今となって、番組の内容やおぼろげな記憶として頭に残る歌詞から想像すると、地上を生きる人間の中にすごい人はいっぱいいる、それはあなたもです、気づこうね、みたいな意味なんじゃないかなと思っています。違うかもしれないですけど。
とりあえず私はそんな風に解釈していますが、どうしてそんな話をし出したのかというと、地上の星を見つけたからなんですよ。
一応、断っておくと、おとぎ話をする気はなく、人間賛歌をする気もないです。私、人間賛歌は好きじゃないんです。基本、人間嫌い。集団行動とか、とにかく嫌いで。好きな人もいますよ、ただ…まあ、私がいかに人間嫌いかは置いておき。
そんな私はきれいなものが好きでして。花とか、山とか、湖とか…。自然が好き。
ただ自然は怖いですよね。うっそうと茂った森の中を一人で歩いてたりすると、結構怖かったりします。
自然の怖さって陰と闇です。人間はそういうのをばっさばっさ開発と称してぶち壊してきました。それが良いこととは思いませんが、闇を照らす光は結構きれいです。希望を感じます。人間が作ったもので一番きれいなものは、光なんじゃないかと思いませんか。
で、地上の星のこと。
私、仕事の帰りで飛行機に乗っていました。夜、仕事後で疲れていました。仕事が好きなわけではないし、人間嫌いなこともあって、本当に疲れるわけです。仕事って人とのつながりがものを言うでしょ。疲れていると、イライラするわけで。
そんなイライラしたなかで、飛行機が着陸態勢に入ったとき。ずっと雲の中にいて下がよく見えなかったので、明かりがぽつぽつと見えてきたとき、きれいだと心から思いました。
山がちなところに道があって、そこだけ光っていたので、まるで星座のようでした。人の営みが作る星座。私もきっと生きているだけであの光の中に入っているのでしょう。これだけ美しいものを作れるのだから、生きることは意味があるのでは…なんて、人間賛歌ですよね、自分らしくなかったです。
夜の飛行機なんて私には少し非日常です。非日常がそうさせたのでしょう。
現実に戻れば、社会も私もそんなにチョロくはありません。毎朝行きたくもない仕事のために人ごみに入り、仕事をし、時には残業して夜景の一部となる。そんな生活の中で人間は美しい、生きるのは素晴らしいなんて感じません。そう思える人もいるでしょうが、私は違います。
だから、…というのも変かもしれないですけど、人間の暮らしている世界の外から見る時間が大切なのかもしれません。中にいたら見えない星が、空からなら見えるかもしれませんから。
2019年2月21日木曜日
小説家志望の方へお役立ちサイト
お疲れ様です。
つばさです。
小説家になりたいという方に、投稿サイトをまとめているサイトをご紹介します。
投稿サイトは検索するといっぱいあるので、自分に合うものを探すのも良し、過疎のサイトを蘇らせるのも良し、ですよ。
小説投稿サイトのまとめ
https://matome.naver.jp/odai/2150062692851433601
長い文章は苦手、詩を投稿したい、という方はこちら。
https://matome.naver.jp/odai/2151988606569448401
つばさです。
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小説投稿サイトのまとめ
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長い文章は苦手、詩を投稿したい、という方はこちら。
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2019年2月18日月曜日
「夏よ終わらないで」ー小説投稿しました
お疲れ様です。
つばさです。
まるせんというサイトで川柳を投稿しました。
もしよければちらっと見てください
https://marusenryu.com/senryu.php?sid=212617
今日はこっちがメインです。
時空モノガタリというサイトで掌編小説を投稿しました。
時期外れですが、もしよければちらりと見ていってください。
https://www.jiku-monogatari.jp/entry/?mode=disp&key=13334&lid=&sort=&word=&page=1
タイトル:夏よ終わらないで
「ねー、七瀬はそれでいいの?」
友だちは怖い顔をして私を見る。
「あの山田くんと二人でアイスを食べてたんでしょ」
「山田くんは幼なじみだから」
私は笑ってごまかす。この手の話題はあまり好きじゃない。山田くんにも失礼だから。
「山田くんが他の女に盗られていいの、ねえ」
「別に私のものじゃないでしょ、もー」
山田くんは幼なじみであり、私なんかにも優しくて、かっこいい憧れの人…なんかちょっと切ないな。
「見られてたの気づかなかったな…」
山田くんとたまたま帰るタイミングが同じだったので、一緒に帰った。同じ高校でもクラスは違うと意外と時間も合わない。
「もうすぐ夏休みだね。七の予定は?」
私のことを「七」と呼ぶのは高校では山田くんだけだ。幼稚園の頃からのニックネーム。山田くんに「七」と言われると体温が上がる。
「えー、何もないです。山田くんは?」
「俺も特にないな」
話が微妙な感じで終わった。山田くんはクールだけど、クールすぎて話を続けようとしないところがある。
話題を探そうときょろきょろしていると、カフェの期間限定メニューが目に入る。
「コットンスノーアイス」
「え」
「食べて行こう、美味しそう」
山田くんは甘いものが小さい頃から好きで、クールな顔のままだけど、美味しそうに食べるその顔を見てるこの時間は私にも幸せだった。
「幸せそうですね…」
かっこいい顔に見とれながら無意識に呟いた。
「うん、幸せ」
こんな時間がずっと続けばいいのに。私がアイスと一緒に買った冷たい紅茶のコップはもうびちょびちょだ。
これは恋かな?そう自分の胸に聞く。すぐに、違う、ともう一人の私の声がする。
私は優しくてかっこいい山田くんのファンにすぎない。この「好き」はそういう「好き」じゃない。
それに、誰に対してもかっこいい山田くんにとっては私はたくさんのファンの一人にすぎない。こうして幼なじみという立場を利用して一緒にいられる。それだけで良い。この時間を純粋に楽しみたい。
夏休みに地元の川で花火がある。いつも花火は自宅マンションで見ていたけど、山田くんに誘われたので河川敷に行った。
山田くんに浴衣を披露するのは5年ぶりくらいでちょっと恥ずかしい。
河川敷にはたくさんの人がいて、少しくらくらする。いつから場所取りしてくれていたのか、山田くんが良い席を準備していた。
「大変だったでしょう、場所取り」
「いやいや。きれいな花火のためだ」
山田くんは相変わらずクールで優しい。
ドーン…
大きな花火が弾ける。花火をこんなに近くで見たのは初めてだ。この町も捨てたもんじゃないな。
山田くんの横顔をちらりと見た。ずっとこの時間が続いてほしい。終わらないでほしい。私たちの時間が、この関係が弾けませんように…
花火が終わって静かになった河川敷。
「七」
「んー?」
「浴衣良いね」
「やったー山田くんに誉められた」
「…彼氏とか、ほしいと思わない?」
少し驚いて山田くんを見た。いや、花火を見て私の気持ちが浮かれてるだけで、そういう質問じゃないよね。幼なじみとしてのトーク。自分に言い聞かせてにっこりする。
「えー、まだいいかな」
山田くん。私はこの関係が壊れないでほしいんだ。
山田くんはクールな顔のままだけど、少しがっかりしている、気がした。がっかりしてほしいと思ったのかもしれない。
「…そっか」
「山田くんは?引く手あまたですよね。モテモテで」
私はどんな答えを期待しているんだろう。
「そんなことないよ…俺もまだいいかな」
「花火を見ると夏も終わりって感じしますよね」
「確かに。花火ってすごいきれいだけどさ、終わってしまう切なさがまた良いよね。夏が弾けるというかさ」
「ごめん。高貴な方の考えることはわかんない」
私はずっとこのままでいたい。でも終わってしまうことはわかってる。だから愛おしい。
夏がもうすぐ終わる。もう少し、終わらないで。