2019年3月26日火曜日

東京都 ~詩を書きました

お疲れ様です。
詩を書きました。タイトルは「東京都」です。

夢や憧れ
欲や醜さ
全てが集まるところ

そんなものを
栄養にして
うっそうと繁る
ビルのジャングル
空は狭まり
気づけば上を見なくなった

どこからも見える
空まで届く大きな木
見上げれば気付く
私たちの抱えるものは
本当に小さい

2019年3月20日水曜日

作品にいただいたコメントに思うこと

お疲れ様です。

以前ここでも投稿しました~と上げた時空モノガタリの小説https://aoitorinotsubasa.blogspot.com/2019/02/blog-post_18.html?m=1

にコメントしてくれた方がいました。
https://kan-so.hatenablog.com/entry/2019/02/28/213331

嬉しい……!

コメントをいただけて感じたことを書きます。
私は感想を書くのは苦手です。思いとか気持ちとかって掴み所がなくてふわっとしてますから、言葉に的確にできない。
だから感想を書けるのはすごい才能だし、たぶんめちゃ頭良いんですよ。

私はだめです。何書いてるかよくわかんない感想しか書けません。
ただ、思っていること、そのぼんやりしたものをシチュエーションとキャラクターに託して小説にしたり、ぼやっとしたまま
詩にしたりすることはできるのではないか、と思っていて、そうしているつもりです。
なので、私の書くのはある面では私自身であって、読んでくださる方が「この気持ち、こうだよね。わかる」となれば私自身に共感してもらえたことになるのでしょう。
別に共感されるのが目的ではないので、違う解釈をしてもらえるなら、たぶん作品としては深みのあるものと言えるはず。いずれにしてもありがたや。
じゃあ今回いただいたコメントは…というと、私の思っていたのと違うような気がする。いや、実は言葉で分析、説明するとそうなのかもしれないけれど…
なんか私の感覚って共感されにくいのかな?とも思ってしまいました。不思議な感覚で、でもすごくありがたい、嬉しい気持ちです。
やっぱり何書いてるかわかんない感想になってしまいました。


2019年3月5日火曜日

小さな王女ー小説投稿しました

お疲れ様です。
つばさです。

マグネット!という小説サイトに投稿しました。このサイトに顔出すの久しぶりです。比較的新しいサイトで、表紙が選べたり、磁力とかいう特殊なルールがあったり、と面白いですよ。

投稿した小説はこちらです。
https://m.magnet-novels.com/novels/58375

小さな王女

地元の桜祭りの時期になった。この桜祭りの桜は少し早咲きで、県内だけてはなく県外からも観光客が来るほどで、すごく賑やかだ。寒い日々が終わりに近づき、春が訪れる。地元の人々はこのイベントを楽しみにしていたし、地元の象徴的なものだと思っていた…きっと、私以外は。
祭りは、一緒に行く誰かを想像できる人はきっと楽しい。早咲きの桜は卒業式シーズンにかぶるので、卒業の思い出に同級生の友達と行く、とか、好きな人と行く、とか、仲が良ければ家族で行く、とか。私も小さい頃は両親と行くのを何となく楽しみにしていた。そういえば、お祭りの出店のわたあめが好きだった気がする。きっと中学高校になれば、彼氏か親友と一緒に歩くものと思っていた。
気がつけば、家族とは仲が悪くなっていた。小さい頃には見えなかった両親の悪いところが成長するとともにどんどん見えてきた。お酒ばかり飲んで、馬鹿みたいにゲラゲラ笑う両親にどんどん心が離れていった。小学生の高学年になったくらいから学校でもうまくいかなくなっていた。私にはどこにも居場所がなかった。いつも隣には誰もいなかった。
だから、私は桜祭りは嫌いだった。私以外の人はみんな隣に誰かいる。別に一人でいるのが嫌なんじゃない。桜だって好きだ。静かであれば気にならない孤独感を強く感じなければいけないから、この時期は嫌いだ。

そんなある日、私は王女に出会った。
人気のない、丘の上の公園をふらふら歩いていたとき、おもちゃのUFOが落ちているのに気付いた。よく見ると、そばにきれいなドレスを着た着せかえ人形が落ちている…いや、生きている、宇宙人だった。
怪我をしているようだったので、家に迎え入れた。不安な表情で攻撃的なことを言われた。
「殺すなら殺せ…」
「私の国の実験台にするぞ…」
でも、なぜだか私自身を見ているような気がして、親近感を覚えた。人形のような姿のせいか、自然に心を開ける気がした。
「ねえ」
「…」
「私も一人なんだ」
「…この星の者じゃないのか」
「そうかも」
私は久しぶりに人に笑いかけた。
彼女は突然涙を流しはじめた。
「私は国の王女だった…王族の権力争いは孤独だぞ…部下や家族同士がずっとにらみ合う…心の隙を見せることは許されない…誰にも理解されない」
「うん…」
「でも生きることからは逃げられないだろう…だから国から逃げた…宇宙に行けば自由になれると思った…消えたかった」
「勇気があるね」
「そんなことは…」
「…ずっとここにいていいよ」

今年の桜祭りは一人じゃなかった。彼女は私のかばんの中で生まれて初めての桜を見ていた。小さな王女には桜はどう見えているんだろう。見つからないようにしながらも、かばんの口から楽しそうに外を見ていた。
「わたあめ食べたことある?」
「なんだそれは?」
私くらいの年齢で一人わたあめを買うのはかなり恥ずかしい。だが、今日は一人じゃないんだ。
小さな彼女は自分とあまりサイズの変わらないわたあめを驚いたように見ていた。小さな口でかじると、微妙な顔をしてつぶやいた。
「甘い…」

帰り道。気づかないうちに桜の花びらがかばんの中に入っていた。彼女は頭の上に花びらの帽子をちょこんと乗せた。
「似合うか?」
「うん」
桜よりも頬が桜色に染まっていた。彼女を美しいと思った。